都内のSI(システムインテグレータ)に勤務する稲葉太郎氏の本職はSEだ。彼は、アプリ★レジを利用して、音楽ツール系のVアプリをリリース予定だ。
自らアマチュアのミュージシャンとして余暇に音楽活動を手がける稲葉氏は、「ケータイで、いつでもどこでも作曲ができるツールがあれば」と考えていたという。そんな同氏自らが開発した作曲をアシストするVアプリ、「HarmoMaker」は、ミュージシャンならではのユニークな発想で作られている。
「僕は作曲をするとき、まずはコード進行から作っていくタイプなんです。そういうミュージシャンは多いと思います」と稲葉氏は、Vアプリ「HarmoMaker」の設計思想について語る。
画面にコード進行を示すブロック図が並ぶ。HarmoMakerはプロ向けの作曲ツールだ
作者名である「RhythMethod」の名前の由来は、音楽の「リズム(Rhythme)」と「理論(Method)」を組み合わせた造語だ。開発したアプリ「HarmoMaker」は現在もアプリ★ゲットでダウンロード可能。稲葉氏は、このHarmoMakerをアプリ★レジを使って、できれば有料で配布したいと考えている。
HarmoMakerがユニークなのは、着メロ制作ツールなどと違い、「まずコード進行から曲を作る」という観点で、あくまでミュージシャンの作曲をアシストする携帯アプリだということだ。実際、多くのミュージシャンは作曲をするとき、まずはギターやキーボードでコード進行を作りながら、それに合わせたメロディを乗せていくという方法を採っている。
携帯電話に標準で付いてくるような着メロ制作ツールは、ほとんどの場合、1チャンネルづつメロディを打ち込んでいくというものだが、こうしたツールは曲がすべて完成していないと、いきなりメロディを打ち込むのは難しく、作曲に使うには実用的とは言いがたい。HarmoMakerのような作曲アシストツールは、「いつでもどこでも持ち歩いている」という携帯電話の特性を活かし、手元に楽器がなくても、頭にひらめいたコードをケータイで鳴らすことで作曲の手助けをする。そうした意味で、HarmoMakerは、ある程度音楽をわかっている人向けのアプリだが、それだけに、「いつでもどこでも頭にひらめいたメロディを曲にしたい」と考える作曲志向の人にとっては手放せない携帯アプリになることだろう。
稲葉氏は、大学時代以前から、DTMを活用してオリジナル曲を書き、ユニット形式で、ライブで歌うという活動を続けてきたという。打ち込み系の音楽には以前から慣れていた同氏だが、本業ではSEとしてJavaのプログラム開発を行なってきただけに、HarmoMakerは、まずは自分の必要から作ったアプリだったという。「仕事で普段からJ2EE(Java 2 Platform Enterprise Edition)を使ってきたので、モバイルに特化したJ2ME(Java 2 Platform Micro Edition)は習得しやすく、すぐ理解することができました。携帯アプリだと容量の制約は厳しいですが、画面デザインなどもすべて自分で手がけて、コツコツと楽しみながら作ってきた(稲葉氏)」という。
アプリ★レジを使って、自作のVアプリを有償配布することについては、「有料である以上、フリー配布と違ってサポートをしっかりやらなければならないとか、それなりに決心は必要でした(稲葉氏)」と同氏は心情を明かす。「しかし、やはり有料で販売することができたら、自分の"気力"、"アイデア"、"モチベーション"のすべてがプラスに働くと思った」という。
「なんとか4月末ごろまでには配布できるようにしたい」と語る稲葉氏。今後も、作曲ツールだけでなく、楽器の習得をしたい人向けのツールなど、音楽系に特化してアプリ作家として活動していきたいと考えているという。「アプリ★レジによって、"個人でもビジネスができるかもしれない"、という気運が広がれば、携帯アプリのすそ野も広がるし、いいことだと思います」と、アプリ★レジへの期待感を語ってくれた。(取材・文:三田隆治)
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